札幌校の特別支援教育専攻に入学したい人のためのQ&A
札幌校特支への受験に関する質問その44
A.入学してからのことを考えると、文章を書く力をつけること、障害のある人が書いた本や発信されたものに触れておくこと、何か1つでも好き(得意な)教科を持っておくと良いでしょう。
入学してから、感想やレポートを書いたり、実習でも日誌を書くことになるため、自分の考えを書く力が必要になります。高校生のうちから文章を書くこと、自分の考えを短くても良いのでまとめる機会を意識してみてください。
障害のある人や子どもに関わる本、本人や家族が書いた本、ブログ、YouTubeなどを見ておくと、大学で学校ボランティアや実習に行く際に、役立つこともあると思います。何より自分とは全く違った立場の人が書いたものを知ることで視野が広がります。
特別支援専攻では、副免許として中高の教科免許を取る場合に、自分の好きな教科について高校のうちから深く勉強しておくと、大学の授業が楽しくなります。最近は家庭科や英語、数学を選ぶ人も珍しくありません。
小学校でも高学年で教科担任制を取り入れる自治体が出てきていますので、幅広く学びながら特定の科目について専門的に学ぶことも検討してみてください。
札幌校特支への受験に関する質問その43(話題が深まるグループ討論)
Q. グループ・ディスカッションのときに意見交換がすぐ行き詰まってしまい、有意義な話し合いにすることが難しいと感じています。
議論を続けたり、深めるには何が必要なのでしょうか。
A. ここ数年は主体的・対話的な学習が授業に積極的に取り入れられ、大学でもグループで意見交換する機会が増えてきました。
大学教員の立場から学生同士の議論を見ていると、「もう話題が出てきません」「行き詰りました」と言っている場合には、学生としての自分たちの立場からしか課題やテーマを考えていないことが多いようです。
言い換えると、今の自分たちが20歳前後の特定の年代であり、学生や高校生という視点からしか問題を捉えることができていないのです。
どのようなテーマであっても、高齢者や子ども、障害を抱えた人々、多様な家族構成による差異(シングル子育て、多世代同居の子育て)、都市部と地方(へき地)、北日本と西日本、日本と新興国や欧米など、自分とは違った立場や環境の人々の視点から見たら、どのような問題や疑問が出てくるだろうか?と議論を広げることを意識してみて下さい。
普段の何気ないアニメ番組、ニュースや街の光景、地域の人々の様子、自然の変化や伝統行事など、特別支援教育の観点からは全てが教材・題材にできる可能性を秘めています。スマホの画面だけでなく、自分の地域が日本や世界と比較して、どのような特徴を持っているのか、アンテナを張っていると、大学に入学してからの学びが充実したものになるはずです。
札幌校特支への受験に関する質問その42(特徴と支援の調べ方例)
Q.最近、自閉症や発達障害の人が増えていると聞きました。
特徴などをネットで調べるとしたら、どこを見れば良いか、お勧めがあったら教えてください。
A.自閉症を含めて障害のある人の特徴は、同じ障害の診断名であっても、その人の年齢や生活環境、性格や趣味などによって異なっており、大きな個人差があります。
それでも障害別の本、当事者の会などで勉強すると、おおよその特徴を知ることができ、それぞれの障害が持っている特性や対応方法の選択肢、症状の範囲などは参考になると思います。個別の本を紹介することは難しいのですが、専門家の分かりやすい解説が載っているホームページを紹介します。
また障害者が使いやすい環境やツールを検索する際には、障害名と「合理的配慮」や「アクセシビリティ」という言葉と一緒に探してみると、「バリアフリー」で探すよりも新しい情報が見つかりやすいと思います。
札幌校特支への受験に関する質問その41 (障害は個性なのか)
A. 障害のある人にも個性があります。同じ診断名であっても、性格や好み、得意・不得意な事は、一人ひとり異なっています。
障害は何らかの特別な支援や対応を必要としている状態ですので、障害=個性とはなりません。
障害に対する支援や配慮が適切に行われているとき、その人の個性が輝きます。
例えば聴覚障害のある子どもが手話を覚え、周りの子どもや先生が手話を使えたら、その子どもの個性が発揮される環境が整います。
障害について専門的に学ぶことは基礎的な理解につながりますが、目の前にいる子どもは個性があり、困難・苦手とすることや発達の状態には個人差があります。
障害のある子ども全体を理解するという意味では、障害も個性も大事な要素だと思います。
札幌校特支への受験に関する質問その40(教育実習について)
Q.大学で特別支援学校の教員免許に必要な単位を取っても実習ができなないまま卒業したら、もう特支の免許は取れないのですか?
A. もし教育実習ができないまま卒業した場合、大学で特別支援学校の免許に必要な科目を履修してあれば、学校に3年間勤務して後から実習の単位として申請することが可能になります。この場合は、基礎免許として幼小中高のいずれかの教員免許を取得していることが前提になります。例えば北海道教育委員会のように、勤務先の学校を管理する自治体に申請することになります。
例えば、北海道では「必要な免許状取得後に、特別支援学校、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校又は幼保連携型認定こども園の教員として勤務した期間(養護教諭は含まれない)。」3年間の勤務経験を実習単位として認めています。
この場合は2種免許状になるため、その後に特別支援学校の教員として免許状の領域(①知的障害・肢体不自由・病弱、②聴覚障害、③視覚障害)に対応する学校で3年間の勤務をすれば、2種から1種免許状の申請をすることができるようになります。
他の自治体の教育委員会でも3年間の学校勤務を実習単位に振り替えるという規定を設けている所が多いようです。
詳しくは、ご自身が働く自治体の教育委員会HP等でご確認下さい。
「教員の経験により特別支援学校教諭2種免許状を取得する方法」(北海道)
http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/ksi/menkyo/t87-88.pdf
「単位の修得例」~特別支援学校教諭1種免許状~ 」(北海道)
http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/ksi/menkyo/tebiki89-90a.pdf