ふじのめ学級における取り組み成果(体育科ボール運動)
教科別の指導「体育科」(ボール運動系)の指導
<はじめに>
本学級児童生徒は知的な障がいとともに、運動面においてもバランスや協調運動における発達の課題があるものが多い。また、帰宅後に外で遊ぶ時間が少なく、体を動かす経験も少ない。ボールを使った集団で行う運動、簡単なルールのあるゲーム的要素の強い運動などを通して、友達と楽しく体を動かしたり、勝敗等の目的に向かって活動したりする授業等を設定してきた。
<活動の成果>
小学校では二学期に室内サッカーに取り組んだ。3人1組(攻2守1)になってゴールまでボールを運ぶ活動を取り入れたことで、友達の動きに合わせて自分の動く場所、ボールを蹴る方向、強さを子どもたちが自然と学ぶことができた。
また、児童によって「ボールを追う、蹴る」「ゴールに向かって蹴る」「ボールの行き先に合わせて動く」「周りの動きを見て自分の動きを考えて取り組む」など、ねらいが様々であるが、活動を複線化することでどの児童にとっても充実した活動になり、実際にサッカーの技術も向上した。
この運動が三学期に取り組んだ室内ホッケーでも「ゴールへ向かう」「同じチーム(相手チーム)の動きを見る」などチームで行う運動として一人一人の動きに変容がみられた。実際に児童生徒は技能の向上を体で感じているようで休み時間にもサッカー、ホッケー、野球など友達を誘って遊ぶことも増えている。
<コメント>
本取り組みは、体育授業における集団ゲームにおいて、室内用サッカーゴールを活用したものである。「専用の用具」を用いることで、児童・生徒のゴール(目標物)を視覚的に提示するとともに、活動へのモチベーションを高めることにつながっている。さらに方向性を意識した学習にもなるなど、今後の特別支援教育おける体育指導に関し、参考となる情報を提供することができたと考えられる。
(コメント:札幌校・安井)
報告:金澤恵美(北海道教育大学附属札幌小・中学校ふじのめ学級)
平成26年度 附属学校研究支援経費による研究