札幌校の特別支援教育専攻に入学したい人のためのQ&A
札幌校特支への受験に関する質問その20
(オープンキャンパス時の見学で)研修や資格など、ゆとりを持って勉強できる面では有利だな、と思いました。
A. 札幌校の図書館は、講義棟の2階が入り口になっており、一般市民も現住所が確認できる身分証明書(運転免許証・学生証・保険証等のいずれか)の提示があればご利用になれます。
一般市民の利用案内はこちらをご覧下さい↓
札幌館一般市民利用案内
開館時間:月曜~金曜日:8:30~22:00
土・日曜日,祝日,休日:10:00~17:00
- 休館日:年末年始、入学試験・行事実施に伴う休館日、館内図書整理等に伴う臨時休館日
※臨時休館の可能性もありますので、訪問前には開館カレンダーをご確認下さい
札幌・開館カレンダー
札幌校特支への受験に関する質問その21
A. 二次試験の小論文の廃止は、いろいろな背景があるのですが、以前から高校や受験生の声として、「対策がしにくい」と言われていました。
小論文は、教育大に入ってから実習で手書き(実習記録や黒板の文字・板書)の機会が多いため、とても意味があったと個人的には思います。
大学全体として小論文から科目の試験に変更する際に、特別支援教育専攻では、今後のグローバル化社会では英語は必須、国語か数学のどちらかの科目は、しっかり勉強してほしいと話し合いました。
これでは文系か理系なのか分からない!という受験生の声が聞こえてきそうですが、特別支援教育の学校現場では、すべての教科が様々な先生たちによって担当されています。
特別支援学校・学級のうち、とくに肢体不自由、視覚障害、聴覚障害、病弱の種類では、中学・高校段階の教科教育や受験指導も行われています。
入学の段階から文系か理系かに絞ってしまうと、特別支援教育の教員養成としての役割を大学が果たせなくなってしまいます。
二次試験で数学か国語のどちらを選んでも有利・不利はありませんので、ご自身の成績や状況に合わせて選択してください。
札幌校特支への受験に関する質問その22
Q.人工知能(AI)やロボット開発が進むと、一般の学校の先生や特別支援の先生は必要なくなったりしますか?まだ先のことなのですが、教員の仕事が将来なくならないのか、知りたいです。
A. 確かに最近、人口知能によって事務仕事が減ったり、大手銀行の人員削減が話題になっています。結論から言うと、教員を補助するロボットが登場することはあっても、ロボットが担任の先生になるという状況はないと思います。一般的にロボットが得意な事は、特定の分野の専門的な情報を提供したり、短い外国語の翻訳をしたり、特定の部品を製造したりすることです。これに対して教員の仕事は、多種多様な内容から成り立っていて、ロボットに代替することは非常に困難です。
具体的には、様々な素材・道具を扱う授業で子どもと一緒に活動したり、休み時間にはボール遊びや鬼ごっこをしたり、給食の配膳や自分で食べられない子どもの介助や教室の掃除、校外学習の引率などがあり、身体的な活動も含めてかなりの種類の活動に従事しています。さらに、子どもの着替えや持ち物を揃えることを手伝ったり、運動会や学習発表会、入学式・卒業式の準備などもあります。これらの多様な機能を1台のロボットにやってもらおうとすると、ヒト型に近い万能ロボットが必要になり、学校や子どもの個人差にも対応した動き、プログラムを組むのは途方もない労力と費用が必要になり、現実的ではないでしょう。
将来的には、連絡帳のやりとりのWeb化、保護者面談の一部がスカイプになるとか、宿題の提出がWeb化してパソコンやタブレット端末で課題をやることはあるかもしれません。セキュリティがしっかりした連絡帳アプリが開発されたら、自治体が導入して学校で使われるようになったら便利になりそうです。
また、見守りロボットがいて、先生がいない休み時間やお昼休みに学校の様々な場所で異常を感知して知らせることや、子どもの体調の変化を教員に知らせるような役割は可能性があります。
特別支援学校や特別支援学級でもIT化の流れの影響から、授業の内容を先生がパソコンで作成しておき、パワーポイントやスクリーンに提示したりすることは普通になってきました。インターネットの活用も授業で取り入れられています。
技術の発展は日進月歩ですから、みなさんが教員になる頃には驚くような支援技術が開発されてるかもしれませんね。
札幌校特支への受験に関する質問その23
Q 雪国に住んだことがないのですが、本州から来て一人暮らしをしている人はいますか?
A. 特別支援教育専攻には、関西・関東等に実家がある学生さんも来ています。札幌のアパートはほとんど石油ストーブ(まれにエアコン)が備え付けてあり、外に通気口や灯油のパイプもつながっていて、灯油業者さんが外のタンクに補充した分だけ請求書が届きます。自分で灯油を注ぎ入れるようなタイプは、まずアパートにはないでしょう。
外はマイナス10度で厚手のコートを着ていても、室内はとても暖かく、学内でも軽装で過ごす学生さんの姿を多く見かけます。
写真は、1月の札幌キャンパス風景です。北教大札幌校では、公用車や大学バスのドライバーさんが冬期にはブルトーザーや2種類ほどの除雪機をフル稼働して、学内の雪をきれいに排雪してくれます。人が歩く場所もしっかり確保されています。学内は2階ですべてつながっているので、どんな時間割でも帰宅時まで外へ出る必要はありません。
大学の眼の前にはバス停もあるので、安心して来て下さい。
札幌校特支への受験に関する質問その24
Q. 札幌の特支4年生に、実際の大学生活などの話を聞いてみたいと思いました。
A. 卒業論文を提出した4年生に、1年生からの4年間を振り返って話を聞いてみました。下の写真の左からBさん、Aさん、Cさんの4年生(女子)3名です。
<プロフィール>
Aさん:岩見沢東高校を卒業後に現役で入学。
4年間で取得見込みの教員免許は、特別支援学校1種、小学校1種、中学校1種(英語)、高校1種(英語)。その他、日本語教員養成科目単位修得証明書を取得。3-4年生の1年間には韓国の大学に交換留学した。サークルは、minapa(国際交流サークルで留学生をサポートする)で活動。大学卒業後は、関東の国立大学の大学院へ進学予定。
Bさん:札幌第一高校を卒業後、1浪して入学。
教員免許は、特別支援学校1種、小学校1種、中学校1種(英語)、高校1種(英語)、図書館司書。サークルには入らず、ボランティア活動や大学の臨床活動に力を入れた。趣味は海外ドラマや映画の鑑賞。大学卒業後は、札幌市小学校の教員(特別支援)(教員採用試験に合格)。
Cさん:札幌東高校を卒業後、1浪して入学。
教員免許は、特別支援学校1種、小学校1種、中学校1種(数学)、高校1種(数学)。大学では、よさこいサークルで活動し、児童養護施設の学習支援ボランティアに参加。趣味は古着屋めぐり。大学卒業後は、北海道の特別支援学校(高等部)の教員(教員採用試験に合格)
<1年生の思い出>
Bさん: 浪人で不安だったけど(特支の同期に)6人もいた!入学後の講堂の説明会で隣の席の子が浪人だった。それで仲良くなったんだよね。
Cさん:しかも2浪も1人いたから、上には上がいると思って元気がでた。
Aさん:1年生の時はアルバイトをたくさんやっていました。塾の講師を週に4回も入れていて、友達と遊ぶ時間もなかった。今思うとシフトの管理がうまく出来なかった。でも夏に韓国へ行きたかったので頑張って働きました。
Bさん:1年生の時は、ほとんどの授業が特別支援教育専攻生で一緒だったので、修学旅行みたいに仲良かった。
Cさん:1年生のことはあまり覚えていないけど、一人で自転車に乗って1時間半くらいかけて銭函の海に行きました。途中でビーサンの紐が切れてしまい、裸足で帰ってきました。その時は大変だったけど、面白いネタができたなーと思いました。
Bさん:学園祭のクレープは専攻企画で毎年やっているけど大変だったね。
Cさん:私たちの時は、焼きリンゴカスタード、チョコバナナ、イチゴジャム、抹茶白玉あんこ味の4種類を作ったけど、すごく売れました。
<2年生の思い出>
Aさん:初めてのふじのめ実習(附属小学校・中学校の特別支援学級:3週間)で、みんなの本性が分かる。毎日、追い込まれていた。
Cさん:一つの指導案をみんなで作る形だったので、いろいろありました。自分が担当する研究授業の教科を決めたりした。
Bさん:参観を含めて1日中、立っていて疲れる仕事だと思いました。
Aさん:でも疲れた顔で遊んでいたら、子ども達も見えない空気を感じて楽しめていないと(担任の先生に)注意されたりした。
Cさん:初日にバインダーを持って行って、それをずっと手に持っていたら注意された。それで子どものことが見れるのかな?と注意された。1週目の観察実習では、子どもの行動の意図を読み取って書くことが難しく、時間がかかった。
Cさん:放課後に、「今日この子は何をやっていた」とか(実習生同士で)情報共有をすごくやっていた。指導案の書き方、言葉の使い方を一番教えてもらいました。教師がどう促すのかを書いたりした。
Bさん:それまでは私が受けてきた授業は受け身だったけど、(実習では子どもへの)発問を考えることを学んだ。メインの教師をサポートするST(サブティーチャー)は難しかった。MTのねらいを理解していないと、うまく動けない。今だったら、もっとうまく出来ると思う。
<3年生の思い出>
Aさん:あの2年生の実習(ふじのめ実習)があったから、3年生の附属小学校は普通に寝られたので大変ではなかった。高等養護学校は、授業は毎日3つもやって大変だったけど、指導案は詳しく作成しなくても良かった。でもつい、1対1の発問になっていて、全体に広げることが大変だった。実習の後は韓国へ留学する準備等をしていました。
Bさん:高等養護学校の実習が楽しかったので、特別支援の教員になろうと決めました。小学生には悩みは聞かれないけど、高等養護学校の生徒は年齢が近いせいか、将来のことを相談してくれた。最後の感想では、「先生の授業は難しかったけど、将来は絶対使うと思いました」と書いてくれて嬉しかった。また高等養護学校の実習担当の先生も頑張っていたらほめてくれて励みになった。
Cさん:難しくても(生徒が)感想を書いてくれたのは嬉しいね。特別支援の実習が楽しかったので、(教採では)道の高等部(特別支援学校)を受けようと思いました。小学校の実習では、1-2時間しか寝られない日もあったり、指導案がうまく書けなくて、予想される反応の子ども達の発言も思い浮かばずに苦労した。
(特別支援学校の)高等部の生徒が悩んでいる姿を間近に見たり、素敵な担当の先生に出会えました。その担当の先生の授業は、その子たちに意図をもって接していて、すごく練った無駄のない授業でした。いろいろ実習生の私に任せてくれて、朝の会や帰りの会もやらせてくれました。
<特別支援教育専攻に入って良かったこと>
Bさん:この専攻でないとやっていけなかったと思います。
Cさん:先生方がやさしい。少人数なので良い。特士的な視点があるから、話していて楽しい。
Bさん:「自閉っぽいよね」「ちょっと多動っぽいよね」とお互いに言い合って笑っているのは特別支援の特徴かもしれない。誰でも少しはあてはまる。
Aさん:いろいろな教科の免許(理科以外)がとれて、留学もできるのはすごいと思う。
Bさん:教員採用試験の面接練習では、みんなで集まって練習したね。集中して勉強したいときは個別室が空いているときに使えたし、特支はたくさん場所があって充実していた。
Cさん:副免で(他専攻に入って)特別支援の免許を取るより、教員になるにあたって特別支援教育が根本にあるのは心強い。
Aさん:(集団の)中にとけ込めない子と一緒に仲良くなれる。普段はしゃべれない子や集団に入れない子と関わったり、目が行くのは特別支援専攻だからだと思う。
Bさん:中心にいる子はおいていて、はじっこにいる子に自然と目が行く。気になってしまう。
インタビューを終えて・・・
特別支援教育専攻の4年生は、困難がある子、うまく集団に入れない子の対応を考えることが自然に身についていることが分かりました。
4月から教員や大学院へ進学してからも活躍を期待しています!