札幌キャンパス情報
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知的障害児の心理生理病理
☆講義の紹介
知的障害児の心理生理病理は、専攻生は1年生後期に受講します。
知的障害児や知的障害を伴う発達障害児の特性、評価方法、指導方法などを学びます。
また運動発達、認知発達など人がどうやって様々な力を身につけていくかを学び、発達段階に則した指導を考えていきます。
先日行った試験では、事例についてどのように解釈し、どのような指導や配慮を行うかを考えてもらいました。
解答のポイントを書きますので、参考にしてみてください。
☆姿勢の発達と手の運動
・姿勢が安定することで上肢で支える必要がなくなり、自由に動かすことができる
・頸部(首)が安定することで、見たい方向を向いたり、目を自由に動かすことができるようになる
・抗重力姿勢を保つことができるようになることで、目と手を協調させることができるようになる→正確に手を伸ばすことができるようになる(はじめはつかむだけだが、少しずつ目的の場所でタイミングよく離せるようになる
・抗重力姿勢を保てるようになることで視野が広がり外界への興味が沸いたり、手を伸ばして物をつかみたいという気持ちが育つ、またバランスを取ることではなく外界へ注意を向けやすくなる
☆5才2ヶ月のお子さんへの遊びや指導
・粗大運動は協調的なもの、注意の分散や四肢の分離の必要ない運動はできている
・指先の運動は、よく見る:注意の焦点化や集中、両手の動作の必要のないことはできているが、細かいコントロールは難しい
・このお子さんの課題は注意のコントロールであり、じっと見ることや、じっと聞くことの難しさが予想され、そのため言葉の発達が遅れている可能性がある
・保護者に対しての愛着形成はできていると考えられるので、言葉の発達をう促す遊びを通してコミュニケーションの力を育て、お友達とも遊ぶことができるようにしていく必要がある
☆ASDのお子さんへの配慮
・シングルフォーカス、セントラルコヒーレンスの影響で、話している人から人へ注意をあちこちに向けたり、研修のエピソードをつなげあわせて思い出すことが難しいと考えられる。
・配慮の例・・・話し合いの内容を視覚的に提示する、関連図等を用いて文章をまとめる、PC入力にする、音声入力にする、清書する役割を決める など
☆ADHDのお子さんへの配慮
・遂行機能がうまく働かないことで、片付けの手順がわからない→手順書の作成など
・報酬系がうまくはたらかないことで、片付ける意欲が沸かない、達成感を感じられない→ショートゴールを設定
・注意のコントロールが苦手なことで、落としていても気がつかないことがある→時間ごとに机の周りをチェックする
・友達とのトラブルについては、怒らないことや言葉で伝える方法を練習する必要があるが、まずはトラブルになる状況を回避できるように配慮することが大切
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