札幌校の特別支援教育専攻に入学したい人のためのQ&A
札幌校の特別支援教育専攻に入学したい人のためのQ&A
<札幌校の特別支援教育専攻に入学したい人のためのQ&A>
このコーナーは、札幌校オープンキャンパスで寄せられた質問に、在学生の声をもとに回答するコーナーです。
特別支援教育専攻 准教授 千賀 愛
札幌校特支への受験に関する質問その1
A. 高校3年生で決めた人が一番多いようですが、少数ながら各学年には浪人のセンター後に決めた人、高校2年生のオープンキャンパスで決めた人もいます。
Q. 学校での成績は良かったですか。塾は行っていましたか。
A. 現役合格者は高校の勉強をしっかり取り組んでいた人が多く、塾に行っていた人はあまり多くないようですが、浪人組は予備校にお世話になっていたようです。
札幌校特支への受験に関する質問その2
A. いわゆる保健室の先生になるための養護教諭の免許は取得できません。
養護教育の専攻へ入学する事をお勧めします。養護学校と養護教諭は全く別物です。
Q.特別支援分野において取れる資格(免許)について知りたい。
A. 特別支援学校・養護学校の免許のうち、知的障害・肢体不自由・病弱の3種類がセットになって取得できます。
北教大では視覚障害・聴覚障害の2種類の免許は取得できません。
授業や実習では、視覚障害や聴覚障害を学ぶことが可能です。
札幌校特支への受験に関する質問その3
A. 小学校教諭の2種免許は、短期大学でも取得できる免許です。
2種は1種より少ない単位数で取得できます。1種は4年制大学で単位を履修して取得する免許です。
専攻の必修は小学校2種になっていますが、せっかく4年制大学に入学するなら、1種免許を取りたいと思う人が多いようです。
Q. 高校の免許は取得できますか?
A. 中学校と高校の免許を取得する人は半分ほどいますが、中高の免許は教科別のため、理科や音楽・体育・美術の免許をとる人はほとんどいません。
(※平成28年度から保健体育の中・高校免許の取得を目指している学生が複数います。)
とくに理科は実験の授業が多く、特別支援専攻の必修科目と重なっているなど、困難なようです。
逆に理科の専攻生が特別支援学校の免許(1種又は2種)を取得することはあります。
中高の免許は、国語・英語・数学・社会・家庭科を選ぶ人が多いようです。
札幌校特支への受験に関する質問その4
Q. 選択で取得できる資格はいくつ取得できますか。取得できないケースはありますか。
A. 必修の特別支援学校と小学校の他に、幼稚園・中学校・高校、学校図書館司書教諭などを取得することができます。
これらを全て履修すると単位数が非常に多くなるため、1-2年生のうちに教員採用試験はどの校種(小学校、中学校、特別支援学級,特別支援学校など)で受けるのか、大まかには決めておくように助言しています。
資格取得のための単位が多いと、卒業論文や採用試験で忙しくなる4年生にも多くの授業を残すことになり、どれも中途半端な形になってしまいます。
札幌校特支への受験に関する質問その5
A. 札幌校の特別支援教育専攻では、自閉症の他に、知的障害、肢体不自由、病弱、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、視覚障害、聴覚障害のある子どもや成人について勉強することができます。
二つ以上が重なった重度重複障害についても勉強します。
ただし、教員免許の種類は、特別支援学校のうち知的障害・肢体不自由・病弱の3種がセットになって取得できますが、視覚障害と聴覚障害の特別支援学校の教員免許には対応していませんので注意して下さい。
札幌校特支への受験に関する質問その6
Q 特別支援分野は忙しいと聞きましたが、アルバイトや部活などとの両立はできますか。
A. 他の専攻よりも教員免許の数が多くなるため、講義は多めになりますが、アルバイトや部活・サークルを両立している学生は多くいます。
講義がない土日祝日にアルバイトをしたり、家庭教師や塾講師、飲食店など、学業に支障のない範囲でやっているようです。
また講義は15週間×2(前期・後期)が基本になるため、夏休みや春休みにアルバイトを多めに入れている人もいます。
札幌校特支への受験に関する質問その7
A. 特別支援教育専攻生は全員が附属の小学校へ実習に行く事になっていますので、市内の小中学校に行く事はありません。
ただし、学校ボランティアの活動で市内の小中学校へ定期的に通っている人はいます。
各学年の実習スケジュールは次の通りです。
2年次の8-9月に北教大札幌校附属の小・中学校にある「ふじのめ学級」へ3週間。
3年次の8-9月に北教大札幌校附属の小学校へ3週間。
3年次の6-12月のうち、いずれか3週間は特別支援学校で実習する。
4年次の9月に希望者のみ札幌市内の幼稚園で3週間実習(毎年1-2名程度)
札幌校特支への受験に関する質問その8
A. 1年次の基礎実習で半日訪問し、2年次には3週間の実習が必修になっています。
専攻生が各学級に4名ほど配置されるので、お互いに助け合ったり、議論しながら指導案を作ったりしながら、初めての実習を乗り切っています。
札幌校特支への受験に関する質問その9
Q 卒業生の進路はどうなっていますか?
A 札幌市の小学校、特別支援学級や通級指導教室、特別支援学校の採用になる人が多く、次いで北海道の小学校・特別支援学級、北海道立の特別支援学校の枠で採用される人が多くいます。本州から来た学生は、地元の自治体を受検する人もいます。
また特別支援の他に高校の免許を取って、道立の特別支援学校の高等部や高等支援学校を選ぶ人もいます。
北海道教育大学全体では、国公立大学のなかで正規教員の採用人数は全国第5位にランクインしています。
正規採用の教員人数:第1位 愛知教育大学299名、第2位 福岡教育大学243名、第3位 東京学芸大学236名、第4位 大阪教育大学217名、第5位 北海道教育大学212名 第6位 埼玉大学172名(平成29年3月卒業者)。
正規採用の教員人数では、全国の国立大学の主要5大学としての実績があると言えます。
北教大札幌校の特別支援教育専攻の卒業生のその他の進路には、少数ながら大学院、福祉施設、幼稚園・保育園、公務員、民間企業を選ぶ人がいます。
平成27年度の卒業生は、教員採用試験を受けた7割が二次試験に合格し、平成28年度の4年生も約7割近くが教採の二次試験に合格しています。平成29年度の4年生は、教採を受けた7割の学生が二次試験に合格しました。
北海道・札幌市の教員採用試験のうち小学校・特別支援の一般の倍率は、小学校で2.3倍~2.4倍、特別支援は2.4倍~2.9倍ですから、札幌校の特別支援の学生の合格率7割というのは、1.4倍の倍率で合格したことになります。道外の自治体を受けた4年生は、2つの自治体から合格通知を受け取った人もいました。
教員採用試験の1次試験には、毎年ほとんど全員(まれに9割)が合格しています。
秋から冬になると、札幌校内で同じ目標に向かって励まし合いながら勉強している3年生の姿をよく見かけます。そして2-3月には個人調書(履歴書・エントリーシート)の作成が始まり、4月から二次対策が始まります。
4年生を迎える直前の春休みには、かなり集中的に一次試験の勉強を自主的にやっているようです。また有料ですが東京アカデミーという予備校が札幌校のキャンパス内で春休みに対策授業を実施しています。
残念ながら現役で教員採用試験に合格できなかった人は、臨時採用の教員として働きながら、正規の教員を目指すことになります。卒業生を見ていると、1-2年で合格する人が大半です。毎年、卒業を控えた3月になると臨時採用の連絡が次々と届き、4月から教員として学校で教えている人がほとんどです。
目標を共有できる仲間が近くにいることは、心強いですね。