札幌校の特別支援教育専攻に入学したい人のためのQ&A
質問66 札教特支の専攻生に浪人生はいますか?
Q. 今の特支専攻生に浪人生はいますか?
A. 毎年、複数の浪人生が入学しています。
全体としては現役生が多いですが、浪人生の中には最初から札教特支希望で再チャレンジした人、現役時代に北大教育学部や他大学に落ちて浪人した人など、理由は様々です。1年生は必修の授業が多く、学生参加型の活動もあるため、すぐに仲良くなるようです。
また他専攻・分野が第1希望でしたが、第2希望を特支に出して入学した人も一定数います。
特支専攻では副免許として中高の免許を取ることで、小学校・中学校・高校・特別支援学校の免許を取ることも可能です。
ただし実験の時数が多い教科は4年間での卒業は難しくなります。理科・技術などの中高免許を取りたい場合には、その教科の分野に入学し、特支を副免許として選ぶようにすることをお勧めします。
✳︎このコーナーは、オープンキャンパスで寄せられた受験生や保護者からの質問に回答しています。
質問65 実習や実際に子どもと関わった時
A.2024年夏のオープンキャンパスで寄せられた質問に回答します。
学部生からのコメントを以下に紹介します
・子どもと接していると、疲れも吹っ飛ぶ。子どもたちの期待に応えたい、笑顔が見たいという気持ちになる。本当にかわいい
・素直で真っ直ぐな児童と関わることで心が温かくなると同時に児童の将来がより良くなるようにせねば、と気が引き締まる
・(実習の)初日からとにかく子どもと話してみたら、名前を覚えてくれたと子どもに喜ばれた。1日のどこかで全員と話したり関われるように努めた
・休み時間に子どもとたくさん遊んで、授業中の子どもの表情の変化や仕草などが少しずつ気づけるようになった
・控えめな子、自分からどんどん話しかけてくる子など様々だが、個性豊かな子どもたちの姿に接して、自分も刺激を受けた
・自分が予想もしなかった発想を持っている子もいて、すごいと思った
・こちらが緊張していると、子どもには必ず伝わってしまう。いつも笑顔でいようと心がけていました
・ただ教師が一方的に教えるのではなく、子どもが自分から学びたい!知りたい!と思えるような環境や題材設定をすること、子ども同士で学び合えるように関わることが大事だと思った
<専攻教員より>
札幌校の特別支援教育専攻では、2年生で特別支援学級(小中)、3年生では小学校実習と特別支援学校の実習をそれぞれ3週間行っています。
実習先の子どもや先生方から多くのことを学びながら、毎回の実習を通じて学生自身も大きく成長していきます。
質問64 「やりたいこと」が見つからないと大学は選べないのですか?
Q.将来の「やりたいこと」が見つからず悩んでいます。とりあえず得意科目で大学に入っても、その後にまた迷ってしまうと思います。
AIが人間の仕事を奪うとも報道されており、
将来のことを考えることも難しい時代になっていますが、
大学生は進路に悩んだりすることはありますか?
A. 特支の専攻生のうち最初から卒業後の仕事を明確にイメージしている人は
多くありません。
「教えることが好き」「学校で働きたい」「障害のある人と関わる仕事が
したい」など特別支援の分野で働きたいと思っている人は多くいます。
AIの進歩によって様々な仕事がなくなると言われていますが、
教師や保育士、カウンセラーなど、人間でなければ務まらない仕事は
残ります。
保護者の相談対応をしたり、子どもと遊んだり、授業をする過程でAIを
活用するスキルは求められるでしょう。
今の段階で明確な「やりたいこと」を探すよりも、「○○の分野で働きたい」
「○○業界で仕事をしたい」という選び方の方が時代の変化にも対応しやすくなります。
興味のある特定の分野について大学で学び、専門性を身につけた上で仕事や
就職先を選ぶとスムーズです。
もし可能なら高校生のうちに、興味がある分野の現場は直接見て
おきましょう。例えば特別支援学校では、学校祭やバザーなど一般参加者も
できる機会があり、障がい者が働くカフェも街中には増えています。
特別支援教育は、小中学校の通常の学級、特別支援学級、通級による指導、
特別支援学校(小中高等部)、学童保育やデイサービスなど、
様々な現場があります。
高校生の段階では細かく決めていなくても、大学2−3年生で学校種を
決めても十分に間に合います。
質問63 教採の前倒し試験を受ける人は多いですか?
Q.教採1次試験(筆記)の前倒し受検ができるようになったと聞きました。
北教大札幌校の学生さんの間では話題になっていますか?
A. 学部の3年生を対象に、札幌市と北海道は.教員採用試験
の1次試験(筆記)のうち、12月に教養科目に限定した
前倒しの受検ができるようになりました。
教養科目に不合格になっても翌年6月17日の1次試験
では他の科目と一緒に受験することができます。
今まで通り、6月に全ての筆記試験科目を受けることも
可能ですが、札幌校では札幌市・北海道合わせて受検希望者
の約7割程度の3年生が受検する予定です。一度にたくさん
の科目を勉強するよりも、科目を絞った方が対策がしやすい
と考える人が多いようです。
質問62「教採の1次試験を前倒しする理由について」
Q.教採1次試験を学部3年生に前倒しする自治体が出てきたそうですが、
今までのように4年生で受けても不利になりませんか?
A. 今まで同様に4年生の6-7月で1次試験、8月に2次試験(面接や模擬授業)
を受けても不利にはなりません。3年生の前期に受検した場合、
4年生でも1次試験を受けられるので2回チャンスがあるという
ことですが、2次試験(面接等)を4年次に受けることは変わりません。
ただ、北教大をはじめ教員養成課程の大学では3年生の前期・
後期に小学校や中学校の教科教育法や指導法の授業があり、
3年生の6月に受検する場合は大学で行われる多くの関連授業を
十分に受けないまま、自力で過去問を解く等の対策をしなくて
はいけません。難易度が低くなるかどうかも全く分かりませんし、
試験の性質から考えても同程度の水準が求められるでしょう。
教採の予備校は前倒しに対応してくれると思いますが、
北教大札幌校の学生さん達を見ていると4年生の1次試験で
落ちてしまう人は、ほとんどいません。
東京都をはじめ教員不足が深刻な自治体ほど、1次試験を前倒し
する傾向がみられます。
北海道教育委員会は、今期の採用試験から教職大学院を
修了見込みの人は1次試験を免除する措置を決定しています。
受検する自治体の教育委員会の情報は、ホームページで早めに
チェックすると良いでしょう。
追加情報:文科省は全国の教育委員会に教員採用試験を6月に実施する方向で
調整するようにと発表しました。今年度の北海道・札幌市は6月中旬に実施
しますので、北海道内の採用試験の日程は来年度も変わらず影響は少ないと
思います。
質問61「中高の免許科目はいつまでに決めれば良いですか?」
入学までに決まっていなくても大丈夫か心配です。
A. 北教大札幌校の特別支援専攻では、必修の小学校と特別支援学校の免許の他に、
選択で中高の教員免許を副免許として取得することが可能です。
入学後すぐに決まっていなくても、1年生前期は必修科目や教養科目で
時間割が埋まってしまうため、問題ありません。
1年生は先輩や同期の様子を見て、2年生の前期から関連科目を
取り始める人も多いです。
中高の免許は、国語・英語・数学・社会・家庭科を選ぶ人が多く、
保健体育を選択する人もいます。
もし理科・音楽・美術・技術の免許を希望する場合には、
それぞれの専攻・専修に入学して、特別支援学校の免許は
副免許として取るようにしましょう。
実験(理科)や実技(音楽・美術・技術)の授業は人数制限があり、
特別支援の専攻生や他専攻生が受けられない場合が多いのでご注意ください。
札教特支スペシャル2022 【Q48~Q60まで一括回答!】
【Q&Aスペシャル2022】
2022年札教オープンキャンパスで頂いた質問へ簡潔にお答えします!
Q48.特別支援教育専攻は、どんな生徒に来てほしいか。
A. 特別支援教育を必要としている児童生徒に関心のある生徒、自分なりに特別支援教育を学びたい理由がある人を期待します。また、特別支援教育は一つのマニュアルや正解が決まっているわけではないので、試行錯誤や失敗から学べる人が向いています。
Q49. 勉強とバイトの両立は難しいですか?
A.週に1-3回、それぞれの時間割や通学の状況を考慮して両立している人が多いです。
教育実習の期間だけはバイト禁止になるので、職場から理解を得ないと難しい部分はあります。
Q50.部活やサークルの活動と大学の勉強の両立は難しいですか?
A.両立は可能と答える学生さんたちが多数です。月1や週1のサークルから、毎週1回、複数回の部活まで様々な活動形態があります。1年生のはじめのうちは時間割を決めてから、自分に合った学生生活のスタイルをつくっていくと良いと思います。2年生の先輩が4月の最初に相談に乗ってくれます!
Q51.特支専攻で新入生研修は実施しますか?また、特支専攻しかやらない行事はありますか?
A. 入学後の1-2か月以内に、大学内で新入生研修を実施しています。担任と1年生で相談して内容を相談して企画しています。特支専攻の行事は、5月末の卒論発表会、10月末の卒論中間発表会、2月上旬の卒論発表会があります。その他に、秋の大学祭は特支の1年生が協力してお店を出します。
Q52.水泳は習った方が良いですか?
A.大学で水泳の必修授業はありません。小学校の教員採用試験を受ける場合、どのような泳法でも構わないので25メートル、足をつかずに泳げることが求められます。大学に入ってから市民プールに友達と通って練習して泳げるようになった人もいました。
Q53.特別支援教育専攻で英語(の免許)をとって、1年間、留学もして5年で卒業しようと思っているのですが、これはけっこうハードルが高いですか?また、特別支援を学べるような福祉に力を入れている留学先の国はありますか?
A 英語を勉強することが好きで、高校のうちに力を入れてとりくんでおけば5年で卒業は可能です。交換留学は北教大で姉妹提携をしている大学から選び、英語の能力で希望が決まります。オーストラリア、カナダ、アメリカ、イギリスは、英語圏で日本とは異なる障害者福祉や障がいに応じた特別な教育、インクルーシブ教育が充実しています。
大学によって求める英語能力のレベルが異なりますので、ヒアリングや英作文はしっかり勉強しておくと良いでしょう。
Q54.共通テストに向けてアドバイスはありますか?
A.教科書の内容や過去問を中心に、各教科で安定的に点数が取れるようにしたいですね。苦手科目のなかでも点数が取れていない分野(とくに前半の問題)を早めに取り組み、得意な科目はどんどん進めて得点源にしていってください。解説を読んでも分からなければ高校や塾の先生に遠慮なく質問しましょう!
Q55.取得免許の様子を知りたいです。小学校1種と中学の数学もとりたいのですが、可能ですか?
A.特別支援専攻は、小学校2種と特別支援学校1種が必修になっていますが、小学校は少し単位を足せば1種が取れるので、ほとんどの人が小学校1種をとっています。
自由選択の副免では国語、英語、社会、家庭科、数学、保健体育の人がいます。
音楽・理科・美術・技術は必修や演習が重なって4年間で卒業することができませんので、そちらの専攻・分野に入学して、副免として特別支援をとることをお勧めします。
数学は講義の期末試験に通れば、単位を積み重ねて中学校・高校の免許をとることが可能で、専攻内では毎年数名はいます。
Q56.小学校免許と特別支援学校免許のみ取った場合の就職先について、どのくらい中学・高校免許も取った方と差がつくのか。
A.札幌市の教員採用試験では小学校を受検する際に英語・数学・情報の中学校以上の免許があると加点があります(英語は小学英語でも加点あり)。教科教育で1つ詳しい専門性をもっていると、障がいのある子どもを教える際や通常の学級の授業づくりでも役立つことが多くあります。どのくらい差がつくかどうかは、自治体によっても差がありますが、将来の勤務校でも選択肢が広がります。
Q57.大学に入る前に学んだほうが良いことは何ですか?
A.共通テストや二次試験の各教科の勉強は、大学の教員免許関係の授業で学ぶ際にも役立ちます。英語のヒアリングは、直前に伸びにくいので継続的に対策することをお勧めします。また、授業のレポートや課題、教育実習では長めの文章を書く機会が増えます。いろいろな分野の本や新聞記事を読んでおきましょう。小説だけでなく、論説文や新書など、専門家がやさしく解説してくれた本の中で興味を持てる内容を探して読むと楽しく続けられます。また自分とは違う考え方や感じ方をする人の話を積極的に聞き、思考の柔軟性を身に着けるように意識してみて下さい。
Q58.推薦入試についてアドバイスお願いします!
A.大学から公開されている内容と、自分の推薦書をもとに、周りの先生や大人、友達に練習相手になってもらいましょう。1人の先生だけでなく、できるだけ多くの人と面接練習することで、話す内容が整理されてきます。面接練習の動画をとって見直し、緊張した時にも落ち着いて話せるように、自分の癖も見つけておくと改善します。これは教員採用試験の面接練習でも4年生に同じことを伝えています。
Q59.恋愛の出会いはありますか?
A.あります!大学の演習授業、ボランティア先、バイト、サークルなど、大学生活では、様々な人との出会いの機会が多いです。あとは自分次第です。
Q60.大学生活で楽しいと思うことはなんですか?
A. 空き時間に友人と話しているとき、サークルのイベントがうまくいった時、臨床活動で子どもが嬉しそうに過ごしているとき、教育実習が無事に終わった時の達成感です!
ご質問ありがとうございました。
海外と日本のインクルーシブ教育の違いについての質問もありましたが、これは1年生必修の特別支援教育基礎論の授業で扱いますのでお楽しみに。
他にも気になることがありましたら、専攻ツイッター「さっきょうとくし」の質問箱までお願いします!
質問47「院内学級の先生になるには、どうすればよいのですか?」
Q.院内学級の教師になるには、どうすればよいのですか?
A. 北教大札幌校では、知的障害・肢体不自由・病弱の
3つの障害種に対応した特別支援学校の免許を取得することが可能です。
このうち「病弱」が院内学級の担当教員の専門性に対応しています。
小児科病棟などに設置されている院内学級の先生には、
大きく2つの種類があります。
一つ目は、北大病院や旭川医大にある院内学級のように、
近くの小中学校の分校として設置される場合です。
小学校または中学校の特別支援の枠で採用試験に合格すると、
配属される可能性があります。
二つ目は、特別支援学校の分校・分教室として小児科病棟がある
病院内に設置される院内学級です。
例えば、愛知県の大府特別支援学校は三つの病院の院内学級で
教育活動を行なっています。
なお小児科病棟に入院中の子どもに、特別支援学校の教師が
訪問して教育活動を行う訪問教育も行われています。
例えば、札幌養護学校は三つの病院で訪問教育が行われています。
医療の高度化に伴い、入院期間が短くなる傾向にありますが、
入院中も公教育を保障するためには院内学級・訪問教育は
重要な役割を果たしています。
採用試験を受ける自治体の院内学級の設置状況について、
教員委員会等のHP等で確認してみましょう。
関連情報:
札幌市立幌北小学校・北辰中学校ひまわり分http://www.himawari-ej.sapporo-c.ed.jp
愛知県立大府特別支援学校の院内学級https://obu-sh.aichi-c.ed.jp/2.kyouikukatsudou/shisetsunaikyouiku/shisetunaikyouiku.html
北海道札幌養護学校訪問教育部の主な訪問先病院 http://www.sapporoyougo.hokkaido-c.ed.jp/?page_id=337
質問46「今の学部生が特支の専攻に入ろうと思った理由は何ですか?」
・オーキャンで特別支援専攻の動画を見て、子どもが遊んだり個別指導のための施設が充実していた
・高校生の時のボランティア先に障害のある人がいて、大学で深く学びたいと思った
・受験の時は第2希望だったが、入ってみたら今でにない学びや気づきがあった
・特別支援学校・特別支援学級の教師の仕事に興味があったから
・なんとなく第3希望くらいで受けて、入ってみたら楽しかった
など・・・
1学年25人の同期生は、現役生だけでなく1浪の人や2浪の人も関係なく交流し、4回の実習✴︎の苦労や必修授業を一緒に取り組む中で絆を深めています。サークル活動では学年や専攻・分野を超えて、卒業後も繋がっていけるような仲間ができると思います。
✴︎基礎実習(1年生)、ふじのめ学級実習(2年生)、小学校実習(3年生)、特別支援学校実習(3年生)
札幌校特支への受験に関する質問その45
Q. 専攻生の皆さんは、どんなバイトをしていますか?
大学の勉強との両立はできますか?
A.もともと教師になりたい人が多いので、子どもに関わる家庭教師や塾の講師、児童デイサービス、学童保育、児童館などでアルバイトをしている人が多くいます。一方で、スーパー、コンビニ、いろいろな店舗などの小売業、レストランや喫茶店などの飲食業、大学の図書館で働く人もいます。
教育系と別のバイトを掛け持ちしている人も珍しくありません。
授業期間(4-7月と10-2月)は少なめにアルバイトのシフトを入れて、授業が終わると増やすなど、工夫している人もいます。
将来、教師になりたい人は、教育系だけでなく学生時代に「先生」と呼ばれない仕事を経験することも社会を知る良い機会になります。
在学生に聞いたところ、バイトをしていない人もいますが、
学外で働く経験と大学の授業や課題、両立することは可能との答えも多かったです。