新規日誌6
ASD(自閉症スペクトラム障害)当事者の方による特別講義を開催しました
6月23日(木)、24日(金)、25日(土)の3日間、「『自閉症』とされている僕が自分の障害について言えること」というテーマの特別講義。講師はASD(自閉症スペクトラム障害)当事者の片岡聡さん(NPO法人リトルプロフェッサーズ代表・東京都自閉症協会)です。「病弱児教育」「肢体不自由児教育」「特別支援教育基礎論」を履修している学生、のべ300名以上を対象に特別講義を行っていただきました。
詳細は こちら
教員のコメント掲載、北海道新聞2021.2.26
教員のコメント掲載、北海道新聞2021.2.22
北海道新聞、2021年2月22日朝刊「くらし」欄に、釧路校・戸田竜也教員のコメントが掲載されました。
<教室で学びたい 化学物質過敏症の子どもたち>下 分かってほしい 暮らし見直し 仲間大切に
こちらから
終了報告「新型コロナウイルス感染症と障害のある子ども」シンポジウム
「新型コロナウイルス感染症と障害のある子どもの生活を考えるシンポジウム」が終了しました。
2021年1月11日(月)、北海道教育大学釧路校・特別支援教育研究室の主催(北海道特別支援教育学会根釧支部共催)による「新型コロナウイルス感染症と障害のある子どもの生活を考えるシンポジウム」がZoomを使用して行われ、教育・福祉関係者を中心に62名の方にご参加いただきました。
冒頭、釧路校の小野川文子教員より、特別支援教育研究室が実施した「新型コロナウイルス感染症に関わる休校・生活制限等による障害児とその家族の生活困難・ニーズ調査」の報告を行いました。北海道・東京・埼玉において障害児を育てる保護者を対象とした同調査(562名が回答)から、特別支援学校の一斉休校が障害児の健康や発達へ大きな影響を及ぼしたこと、福祉サービスなどの社会的支援の乏しさから家族の心身の負担が大きかったこと、学校再開後も感染症予防においてさまざまな困難があることなどが報告されました。コロナ禍は、学校の教育的機能・福祉的機能をあらためて明確にさせるとともに、障害児独自の支援体制が求められると述べました。
続けて行われたシンポジウムでは、まず北海道釧路鶴野支援学校教諭の島由佳さんから、何が適切な対応なのかがわからない中、教職員が時間をかけて協議を重ね、教育活動の一つひとつを丁寧に進めてきた様子が語られました。また、生徒同士のかかわりを大切にしたいと考えながら、密を避けるために距離をとるように指導しなければならないなど、教員としての苦悩もお話いただいた一方、生徒や若手教員を中心として「コロナだからできない」ではなく、これまでとは異なる工夫した方法を考え「こんなやり方ならばできる」と前向きに進める様子も紹介していただきました。
次に福祉の立場から、相談支援に携わるNPO法人ふわり理事長の高野幸子さんに話題提供をいただきました。高野さんは、事業所から見える障害児と家族の生活を紹介した後、コロナ禍で考えることとして、「普段」「日常」からの取り組みが大切であると述べ、その一つとして日常的な家族のゆたかな子ども理解・障害理解とかかわりが、今回のような緊急時にも活かされ、落ち着いた対応につながると語りました。一方、地域が障害児者に対してどのような理解をしているかといったことや福祉と教育の連携・協働など、日常的に「課題」となっていることが、コロナ禍においてより大きな障壁となると話されました。
最後に、保護者の立場から、北海道釧路養護学校にお子さんを通わせる角田めぐみさんからお話いただきました。休校中、両親が交代で仕事を休み子育てをする中で、地域の人たちがお子さんを見守ってくれたり、きょうだいを外出させてくれたりなど、「地域の人の支えがあって乗り越えました」と語りました。また、同じように障害児を育てる保護者同士のつながりを大切にしていること、「困ったことを相談する際や情報収集などは、共通したニーズがある保護者同士だった」とし、家族以外の人とのつながりの大切さを語られました。
会の終了にあたり、釧路校の戸田竜也教員から、潜在化していた教育・福祉の課題がコロナによって明らかになり、それがとりわけ障害児や家族の負担・困難として顕在していること。その解決に向けて、教育・福祉のそれぞれが苦悩を語り合い、お互いを想像し合いながら、共通のゴールである「子どもと家族の幸せ」につながる連携・協働を地域の中で模索する必要があること。今回のシンポジウムをそのスタート地点とし、ここで確認された「前向きな芽」をみんなで大切していきたいと述べました。
釧路校・特別支援教育研究室では、今後もコロナ禍における障害児と家族の生活と発達に焦点をあてて、研究および支援につながる取り組みを継続していきたいと考えています。
調査結果・配布資料 報告資料(小野川).pdf
NHKニュースで報道されました(外部リンク)
「新型コロナウイルス感染症と障害のある子ども」シンポジウム
休校・生活制限等による障害児とその家族の生活困難・ニーズ調査結果
北海道教育大学釧路校・特別支援教育研究室では、「新型コロナウイルス感染症に関わる休校・生活制限等による障害児とその家族の生活困難・ニーズ調査結果」を実施しました。
調査結果を添付いたしました(PDF)。
・調査の概要 調査の概要報告.pdf
・調査結果のまとめ 調査結果まとめ.pdf
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「新型コロナウイルス感染症に関わる休校・生活制限等による障害児とその家族の生活困難・ニーズ調査」
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新型コロナウイルス感染症に関わる休校・生活制限等による
障害児とその家族の生活困難・ニーズ調査結果報告
「大きな災害が起こると、障害児者やその家族のことは忘れ去られる…」
新型コロナウイルスの感染は未だ終息が見通せない中、大人も子どもも不安の中、日々必死に生活しています。とりわけ子どもにおいては、全国一斉休校にはじまり、全国民に感染症予防対策として「三密を避ける、マスク着用、手洗い・消毒の徹底」、活動自粛や生活制限などを強いられ、そのことの影響が心配されています。とりわけ、全国一斉休校は、長いところでは3カ月以上にも及び、子どもの学習や生活に多大な影響を与えました。管理職をはじめ教職員の方々は子どもたちの学習保障や健康観察等に日々奮闘され、学校再開後も、分散登校、マスク着用、三密を避ける等の対応が求められ、さらなる負担がかかっています。
この間、様々な組織、団体が休校中の子どもや保護者の実態調査を実施し、その影響の大きさを指摘しています。しかし、より影響が大きいと考えられる障害児に対しては、その実態も十分明らかにされていません。学校が再開された後も、学校や家庭で様々な制限等が続くことから新たな問題も懸念されます。このような状況から、北海道教育大学釧路校特別支援教育研究室では、北海道の特別支援学校を中心に在籍する児童生徒の保護者を対象に調査を実施し、保護者の皆さまから貴重なご意見をいただきました。
今回の調査では、学校休校中の子どもたちに深刻な影響を及ぼしていることが示されました。この間行なわれてきた調査と同様、運動不足やテレビやネットへの依存傾向、睡眠や食生活の乱れが多くみられました。そのことが体重の増減、体力の低下、中性脂肪値の高さにつながり、健康を脅かしています。また、行動制限によるイライラやパニックといった行動面での影響が上位を占め、自由意見でも、「パニック」「自傷行為」「暴力的行動」「便いじりなどの自己刺激」が増え、「コミュニケーション力の低下」「身辺自立面での後退」等、発達面での影響も多く、さらには「てんかん」「音や光の過敏の進行」など病気や障害の進行もみられ、深刻な状況がうかがわれます。そのような状況は、学校再開後もすぐには改善せず、「登校できない」「生活リズムが改善しない」といった声も多くあがっており、その影響が長期にわたっていることが示されました。
家族の状況では、保護者、とりわけ母親の多くは子どもの介助を含め養育全般を担っていることから、「隔離生活などできない」「自分が倒れられない」といった精神的に張り詰めた状態であり、自由意見では、「不眠」「精神的にも体力的にも限界」「自らの通院もできなかった」などが寄せられています。また、「預け先がない」などによって就労困難となり「仕事を辞めた」というケースはもちろん、「中学部だからとテレワークが認められなかった」など、感染予防として呼びかけられていたテレワークすら障害児の場合は困難であることも示されました。平時においても障害児を育てる保護者は就労困難、健康破壊、そして孤立しやすい状況にある中、今回のコロナ禍によってますます深刻さが増しています。これまでの福祉・教育の脆弱性が一気に浮き彫りとなり、さらに障害児家庭を追い込んでいます。
環境の変化に敏感かつ弱い障害児の場合、ダイレクトにその影響を受け、子どもの健康や発達に顕著に現れるかと思いますが、障害のない子どもの場合はある程度まで「自分で我慢し、コントロールしている」とするならば、時間の経過の中でその影響が徐々に現れてくると予測されます。したがって、今回の障害児やその保護者の状況は決して、障害児固有の問題ではなく、全ての子どもたちにとっても重要な問題提起となると考えています。少しでも多くの皆様にコロナ禍における障害児やその家族の状況をご理解いただき、今後の対応や支援体制の充実につながりますことを願っております。
(文責・小野川文子)釧路養護学校見学(2019.6.5)
特別支援教育研究室の恒例行事なった「1年生による釧路養護学校見学」は、6月5日(水)に実施されました。1年生14名が参加しました。
冒頭、佐々木主幹教諭に学校・学部の概要を説明していただいた後、小学部1~6年生の各クラスに学生が分かれて入り、観察をさせていただきました。また、併設されている寄宿舎の見学もさせていただきました。
質疑応答の場面では、
・児童のクラス分けはどのようにしているのか
・音楽の授業で机がある子と無い子の違いは何か
・はじまり・おわりの挨拶で行っているジェスチャーにはどんな意味があるのか
・生活単元学習とは何か
・2クラスが1教室で配置されているのはなぜか
のほか、たくさんの質問が出されました。
来週には見学の「ふりかえり」を大学内で行い、今回の学びをさらに深めたいと思います。
釧路校・まりもプロジェクト活動開始
活動の詳細は、今後Face book でご紹介します。 Fbは… こらち
北海道特別支援教育学会根釧支部総会・講演会
北海道特別支援教育学会根釧支部総会・講演会のご案内
日 時 2019年6月15日(土)14:00~16:00
会 場 北海道教育大学釧路校 403講義室
(釧路市城山1丁目15-55)
演 題 「寄宿舎併設特別支援学校の役割と課題」
講 師 北海道教育大学釧路校准教授 小野川文子 氏
(本学会根釧支部顧問)
主 催 北海道特別支援教育学会根釧支部
釧路校・教員テレビ出演
2019.5.21
NHKほっとニュース北海道(18:10~)にて、「虐待受けた子どもをどう支えるか」というテーマで遠軽町の北海道家庭学校が紹介され、退所後の対応等について戸田先生のコメントが紹介されました。
NHK北見放送局・動画へリンク……こちら