札幌キャンパス情報

2021年2月の記事一覧

令和2年度 札幌校・卒論テーマ

2021年2月5日、卒論発表会がありました。
対面での討論できない、実験やインタビューができない、お子さんへの指導ができない、などなど、様々な変更、苦労、工夫が求められる中での卒業研究でした。
それぞれの興味関心でテーマを決めて、試行錯誤を繰り返し、論文を完成させました!

安井ゼミ

障害者スポーツ当事者による授業の現状と課題について

札幌市内の車椅子利用者における劇場利用のニーズについて

教員養成大学に属する大学生の障害者に対する潜在的態度に関する研究 

 

三浦ゼミ

特別支援学級の児童の生活スキルに関する実態調査 

教員免許 を取得しない 一般大学生の発達障害理解について

 

池田ゼミ
主観的方向感覚と目的地までの行動特徴との関連の検討 

空間認識能力向上に向けた 3 次元地図による学習効果の検討 

インクルーシブ体育の実践-体育科学生の変容に着目して-  

健常な成人を対象としたスヌーズレン空間の利用の効果について 

方向音痴と空間認識能力の関係性について  

 

千賀ゼミ
障害者プロレスの印象の変化に関する研究

ナイジェリアの初等・中等教育と特殊教育

教員養成系大学の学生はどのように障害者と関わってきたかー特別支援教諭免許取得学生と他学生の比較ー

日本と中国の大学生における障害者のバリアフリーと社会参加に関する意識調査研究

LGBT当事者へのインタビューによる検討~大学生活の改善にむけて~

 

齊藤ゼミ

漢字書字に困難を持つ中学生男児の分散学習と集中学習の効果について 

先行オーガナイザがASD児者の文章読解に及ぼす効果グラフィックオーガナイザとテキストオーガナイザの比較 

ADHD傾向によるギャンブリグ課題の再検査時の成績変化について 

教員養成課程大学における発達障害についての意識調査

学習に遅れのある小3年生女児へのひらがな指導方法の検討

特別支援教育実習におけるリフレクションによる障害理解の促進について

ナラティブにおける自閉症傾向と主語省略の関連について 

 

青山ゼミ

算数と作文に苦手のある小学3年生女児への指導認知特性の強みを活かした指導

同時処理優位な小学校 5 年生男児への漢字指導 ―認知特性に基づいた漢字読字指導

高機能自閉症が疑われる児童に対する SST の効果の検討  

漢字書字が苦手な小学校 4 年生男児への漢字指導同時処理優位の認知特性を生かしてー

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自閉スペクトラム症の子どもへの指導で心がけたいこと(レポート紹介)

知的障害児の心理・生理・病理の講義では、色々なテーマでレポートを書いています。
前回は「自閉スペクトラム症の子どもへの指導をするとき、どんなことを心掛けたいですか?」というテーマでした。
全15回の講義の最後の課題でしたが、それまでに学んできた「1つの課題を多視点で考える」ということができているレポートをご紹介したいと思います。
自閉スペクトラム症のお子さんだけでなく、周りのお子さんたちのことも考えた素敵なレポートです。
(レポートを書いた学生さんの承諾を得て掲載しています)

*****以下、レポート*****
学校生活の中で指導を行う際に心がけたいのは、物に対する感覚不安と、人に対する状況 不安を最低限に和らげることである。聴覚や嗅覚のほか、視覚、触覚、圧覚、味覚などの 感覚過敏は完全に無くすことはできない。

感覚による不快感によって、学びや、児童が望 むコミュニケーションの機会が妨げられないような学校の環境づくりが必要である。 まず教室の装飾を抑えて、シンプルな色合いにすることである。楽しく学べる雰囲気 にするために、過度な装飾を施す教室もあるものの、コントラストが強いほど視覚過敏の 児童は疲労してしまう。色の彩度を抑えた空間や道具(白色ではなく、うすい緑色のノート など)を用いる

次に、触覚(圧覚)過敏についてである。死角から肩を叩かれると痛みを感じることもあ るから、身体には触れずに、真正面から話しかける。相手がこちらに気づいていないとき は、急いで気づいてもらおうとはせず、机を軽く叩いてみる

人や物が動くと、聴覚は過敏に反応してしまう。机や椅子といった移動する物には緩衝 材を付け、物が落ちたときに音が立たないようカーペットを敷く小学校では中休み・昼 休みに児童が一気に移動するため、保健室などの静かなところへ移動する。

授業中、自閉 症スペクトラムの児童が強い刺激を感じたら「ZOOM」などの連絡ツールを使ってコミュ ニケーションを取ることも可能ではないか。

 給食を食べるとき、味覚過敏な子・そうでない子に対しても、むやみに食べることを強 要しない。食器は、ぶつかったときの衝撃が少ないプラスチック製のものを用いる。食べ 物の匂いが混ざらないように、お皿にはラップをかける。質感や味によって食べられない 料理は、材料の切り方を変え、ほかの食べ物で栄養を補う。しかし、親御さんや栄養士さ んの協力が必要である。

自閉症スペクトラムの児童が、他の児童と同じ学級に所属している場合「過敏に感じるこ とは人それぞれが持つ個性の延長である」ことを知ってもらうのはもちろん、絶対に否定しない。不快に感じたことで他の児童との隔たりを感じないように、学校に行きたいのに 行けないといった二次的障害が生じないように仲介する。

 自閉症スペクトラムの児童だけでなく、周りの児童にも目を向ける。例えば、聴覚過敏 の児童が他の児童に「うるさい」と言った場合、刺激への配慮に欠けていた部分は今後気 をつける必要があるし、気持ちを伝える言葉はどうしたらよかったのか等の改善点を見つ け、互いの誤解をとくことが大切である。

【参考文献】
 「第 15 回:知的障害児の心理生理病理(自閉スペクトラム症).pdf」 最終閲覧日: 2021 年 2 月 5 日
「通常学級での特別支援教育 第 39 回 | みつむら web magazine | 光村図書出版」 <https://www.mitsumura-tosho.co.jp/webmaga/tokubetsushien/detail39.html> 最終閲覧日: 2021 年 2 月 5 日
「自閉症スペクトラムの感覚過敏を知り子供のストレスを軽減させる | managram」 <https://www.manacal.co.jp/wp/?p=454> 最終閲覧日: 2021 年 2 月 5 日
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