投稿日時: 2016/09/21
itok
Q 子どもと保護者との間に、指導に関して溝が生まれた場合、どのように対応していけばよいでしょうか。
A 子どもと親の溝は当然生じます。むしろ溝がある状態が普通だろうと思います。
そのような場合の第三者の役割は、まずは両者の思いを通訳するというところから始めたら良いと思います。
子どもの思いが親に伝わり、親の思いが子どもにわかるように翻訳されていないからこそ、溝ができるのだと私は考えています。
ですから、親が見えていない子どもの思いを親側に丁寧に説明し、また子どもが見えていない親の思いを子ども側に丁寧に説明する、その通訳役としての役割を担っていくことが大事です。
子どもと親の関係に白黒つけるような介入は、時に、親子関係のバランスをさらに崩してしまうことにもなりますので気を付けましょう。
相談者は、時に、ダブルスタンダードにならざるを得ない時もありますが、通訳という枠組みを守り、またその役割が親と子どもに認識されていれば、ダブルスタンダードな発言をしても、矛盾や転向と受け取られるリスクは少ないと思います。
「あなたは私たちの間にある溝を丁寧に埋めてくれる存在なのね」と、信頼してもらえるようになりましょう。
人間関係は、因果関係で割り切れるものではありません。
裁判官として人間関係を調整しようとすると、当面の問題については問題解決するかもしれませんが、親子関係のバランスが崩れたままの場合、将来、新たな課題に直面化したとき、親子の葛藤が容易に再燃する可能性があります。