ご参加いただいた皆さん、ご協力いただいた保護者・自治体・学校関係者の皆様、本当にありがとうございました。心より御礼を申し上げます。
当日の様子を、釧路校特別支援教育研究室HPで紹介しています。
こちら をご覧ください。
札幌校の齊藤真善先生から、8月25日(木)に、第66回東北・北海道地区大学等高等・共通教育研究会第1分科会「高等教育における人材育成-大学の国際化と人材養成プログラム-」の話題提供者として「北海道教育大学札幌校における特別支援教育関連科目の必修化の現状と課題」について報告されました。
本報告は札幌校において平成27年度から始まり、今年度より必修化された講義「特別支援教育」における受講者の「事前・事後アンケート調査」の結果及び「理解度テスト」からの分析に関する内容でした。
講義「特別支援教育」の目標は、学生達が教育フィールドで得た体験と、講義内容を融合させ、障害を抱える子どもの困り感や育ちの実際を理解し、教育現場における課題発見及び解決方法の糸口を提供することです。「特別支援教育を学ぶ必要性を感じる」というアンケートに対し、「感じる」(8割)「少し感じる」(約2割)という、ほぼ10割の学生が学ぶ必要性を感じていることからも、これからの教員にとって特別支援教育を学ぶことの重要性が見えてきます。
大学として、学生達が将来、自信をもって指導できるようにするための工夫・改善が、今後も求められるとのことでした。
2016年5月18日(水)、児童養護施設・釧路まりも学園学習支援プロジェクトが開始されました。
今年度で10年目を迎えるこの活動は、年間25回、毎週水曜日の夜18:15~19:15に学生ボランティアが児童養護施設・釧路まりも学園を訪問し、学習支援やレクリェーションを行います。
今年度は、38名の学生がボランティアとして登録しました。
5月18日は、まず体育館に参加者全員がそろい、担当する学生と子どもたちとの対面式を行いました。
その後、低学年はレクリェーション、高学年は学習から始めました。
低学年のレクリェーションでは、「だるまさんころんだ」や「いろおに」などのゲームを中心に行い、子どもたちの元気な笑い声が体育館に響きました。
高学年は、学習の冒頭に「自己紹介ビンゴ」を行い、子どもと学生が「好きな食べ物」や「趣味」などを紹介しあった後、1年間の目標を立てました。その後、学校から出されている宿題や、学生が準備した学習プリントに取り組みました。
子どもたちがいつも楽しみに待っていてくれるこのプロジェクトは、将来教師になろうとしている学生たちを励ますとともに、貴重な学びの機会となっています。
プロジェクトで大切にされている、一人ひとりの子どもたちに丁寧に寄り添い、その内面を想像してかかわる経験や、子どもの生活背景を踏まえた上での支援の構築は、今日の学校現場でも求められる事柄です。
今後も子どもたちへの支援と学生の学びがより豊かになるよう、地道に取り組んでいきたいと思います。
↓活動後の振り返りの様子
2016年4月27日、釧路校では「今、学校の先生に知って欲しい! “性同一性障害”(GID)の子どものこと」と題した学習会を行いました。
学外から学校の先生や保健師、福祉職、保護者等、140名の参加がありました。
今回、話題提供者としてご自身の経験を語ってくださったのは、釧路校に在籍する大学院生の真田さん(仮名)です。真田さんは、からだは女性として生まれましたが、心は男性を自認するGID当事者であり、大学4年生の時に診断を受け、現在ホルモン治療を行っています。
幼少期から男の子と一緒に遊ぶことが多く、スカートをはくことを嫌がったという真田さん。小学校高学年の頃には、体育の授業で行われる「プール」で、女性用の水着を着用することや女性と一緒に着替えることに抵抗を感じ、「体調が悪い」と偽って授業を休みました。中学生になって第二次性徴が始まり、「からだへの違和感」を強めるとともに、周囲が自分をどのように見ているのかということが気になりました。
このように幼少期から悩み苦しみながらも、親や学校の先生には自分のことを話したり、相談することができなかったと言います。その背景には、特に学校において、「女性らしさ」を求められることが多く、自分を否定されているようだったからと語りました。
真田さんは、学習会参加者に向けて、身近なところに自分のようなセクシャル・マイノリティがいることを知って欲しい、性に関係なく一人ひとりの良さを認めて欲しいと訴えました。
質疑応答の後、スクールカウンセラーとしても活動している、釧路校戸田竜也講師から、本当のインクルーシブ教育の実現のためには、旧来の医学モデルによる「障害」のみならず、子どもたち一人ひとりの多様性を理解し、そこにある「特別な教育的ニーズ」を受け止めていかなければならないとの問題提起があり、学習会を終了しました。
文部科学省の調査では、全国の学校で少なくとも606名の性同一性障害の子どもが学んでいます。また、同省は、2015年4月には「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について」という通知を出し、学校に具体的な対応を求めています。
北海道教育大学特別支援教育プロジェクトでは、今後GIDのみならず、広くセクシャル・マイノリティの問題の学習・研究を深めていきたいと考えています。
関連ホームページ 釧路校特別支援教育研究室は こちら
北海道教育大学に在籍する性同一性障害当事者の学生に、子どものころにどんなことを考え、悩んできたかなどを語っていただきます。
また、スクールカウンセラーでもある本学戸田竜也講師が解説・コメントを行います。
文部科学省の調査では、全国の学校で少なくとも606名の性同一性障害の子どもが学んでおり、さらに多くの子どもの存在が想定されます。また、学校での具体的な対応も求められています。
学校関係者をはじめ、関心のある多くの皆様のご参加をお待ちいたします。
■■■ 日時 2016年4月27日(水) 18:30~20:00
■■■場所 北海道教育大学釧路校201講義室
■■■参加費無料、申し込みは必要ありません。
問い合わせ先
北海道教育大学釧路校 戸田竜也研究室
FAX 0154-44-3387
メール toda.tatsuya@k.hokkyodai.ac.jp